神戸大学工学部システム工学科第4講座で開発された計算機

Table of Contents

1 概要

昭和50年代から昭和60年代前半にかけて, 当時の神戸大学工学部システム工学科 第4講座 前川禎男研究室では, 金田悠紀夫助教授(当時)の指導の元, Lisp,Forth,Pascal,Prolog などの高級プログラミング言語を高速に実行する専用計算機, および並列計算機の研究が活発に行われていた.

本Webページには,それらの計算機に関する情報を掲載する. なお,神戸大学のLispマシンとPrologマシンの開発当時の状況について記載した論文としては, 以下のものがある.

1.1 What's New

2 神戸大学Lispマシン FAST LISP

Lispマシン FAST LISP (別名 TAKITAC-7)は,1977年から開発が始まり1979年2月に完成した. 大型計算機並みの処理速度を実現した我が国初の高速Lispマシンである.

情報処理学会による 情報処理技術遺産 に認定され(認定日: 2011年3月6日), 2012年4月より神戸大学大学院 システム情報学研究科 の玄関ホールに展示されている.

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神戸大学Lispマシン FAST LISP
(システム情報学研究科 玄関ホール)

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情報処理技術遺産認定証

2.1 説明

神戸大学Lispマシン FAST LISP

 後世に名を残すべき計算機として、情報処理学会 情報処理技術遺産に認定された。
 本機は、1978~1979年にシステム工学専攻(当時)の修士論文テーマとして、 瀧和男(当時修士課程)、金田悠紀夫(当時助教授)らが開発した。 人工知能向き言語Lispの高速実行を目指し、 大型計算機並みの処理速度を実現した我が国初の高速Lispマシンである。
 キャビネット上段より表示・電源部、プロセッサモジュール、メモリモジュール、 フロントエンドプロセッサ (LSI-11) +フロッピーディスクドライブより構成される。 ビットスライスプロセッサ (AMD Am2903) と4k語のハードウェアスタック他にマイクロプログラム化したLispインタプリタを搭載した独自のアーキテクチャを持ち、 第2回LISPコンテストの問題の実行時間は、HLISP, OLISPなど大型計算機上のLisp処理系と肩を並べた。
 本機のアーキテクチャは、後の商用マシンのFACOMαやELISに影響を与えた。 なお本機の開発場所は、現在のシステム情報学研究科棟4階401室であった。
 以下は情報処理学会掲載ページ
 http://museum.ipsj.or.jp/heritage/2011/Lisp_FAST_LISP.html
       2012年4月  システム情報学研究科  

2.2 連絡先

製造年1978年〜1979年
製造者神戸大学工学部システム工学科
所有者エイ・アイ・エル(株)瀧和男
2012年4月より神戸大学大学院システム情報学研究科
史料所在地〒657-8501 兵庫県神戸市灘区六甲台町1-1 神戸大学大学院システム情報学研究科玄関ロビー
公開情報2012年4月より公開(要予約)
照会先システム情報学研究科事務室 Tel.078-803-6257

2.3 写真集

2.4 参考文献

3 神戸大学Forthマシン,Pascalマシン

Forthマシンは,プログラミング言語のForthを高速に実行する目的で開発された専用計算機である. 1982年頃に完成した. その後,Pascal用の機能追加をし,Pascalの実行も可能になった.

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神戸大学Forthマシン (当時の写真)

3.1 参考文献

4 神戸大学Prologマシン PEK

PrologマシンPEK (Prolog Engine of Kobe University)は, 論理型言語Prologを高速に実行するための専用計算機アーキテクチャについて研究を行うために試作したマシンであり, 1984年に完成した. 1982年に第五世代プロジェクトが開始されたこともあり, 当時はProlog専用計算機の開発が注目されていた.

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神戸大学Prologマシン PEK (当時の写真)

PEKの詳細については,以下に記載している.

5 並列計算機

ブロードキャストメモリ結合形の並列計算機システムを複数開発し, その上で並列数値計算システムや並列Prolog処理系などが実装された.

5.1 参考文献

  • 松田秀雄,小畑正貴,増尾剛,金田悠紀夫,前川禎男: マルチプロセッサシステムPARK上での並列Prolog処理系の実現, 情報処理学会論文誌,29巻,1号,pp.38–46,1988年.
  • 小畑正貴,宮垣嘉也,金田悠紀夫: 試作BCプロセッサアレイとその評価, 情報処理学会論文誌,27巻,9号,pp.909–915,1986年.
  • 松田秀雄,田村直之,小畑正貴,金田悠紀夫,前川禎男: 並列Prolog処理系"K-Prolog"の実現, 情報処理学会論文誌,26巻,2号,pp.296–303,1985年.
  • 田村直之,有尾隆一,松田秀雄,金田悠紀夫,前川禎男: K-Prolog:並列マシン上でのPrologの実現, 情報処理学会 記号処理研究会資料 20,pp.1–7,1982年.
  • Naoyuki Tamura and Yukio Kaneda: Implementing Parallel Prolog on a Multi-processor Machine, Proceedings of the 1984 International Symposium on Logic Programming (SLP 1984), pp.42–48, 1984.
  • 小畑正貴,金田悠紀夫,前川禎男: ブロードキャストメモリ結合形マルチマイクロプロセッサシステムの試作, 情報処理学会論文誌,24巻,3号,pp.351–356,1983年.
  • 小畑正貴: 並列計算機システムに関する研究 : ブロードキャストメモリ結合による多重プロセッサシステムについて, 神戸大学大学院自然科学研究科,神戸大学大学院博士論文,1985.
  • 松田秀雄: 論理型言語の並列実行に関する研究, 神戸大学大学院自然科学研究科,神戸大学大学院博士論文,1987.

5.2 その他の資料

  • 田村直之: 並列PrologシステムK-Prologのソースコード (PDF 18MB), 1982.
    • 上記の「K-Prolog:並列マシン上でのPrologの実現」, "Implementing Parallel Prolog on a Multi-processor Machine" で発表したシステムのソースコード.
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Date: 2014-12-26 00:47:53 JST

Author: 田村直之

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