情報知能工学総論 計算機演習資料

神戸大学 工学部 情報知能工学科 田村直之

1997年5月

1 今から何をするのか?

大学に入学して1ヶ月以上が過ぎ,皆さんも少し大学での勉強に 慣れてきた(飽きてきた?)ころと思います. そこで,何はともあれ,一度コンピュータというものを 見てさわって楽しんでみましょう.

2 これがコンピュータだ!

皆さんの目の前にあるのは, シリコン・グラフィックス社製の Indy という コンピュータ(計算機)です. 昨年の4月に導入されました. 情報知能工学科の学生全員のためのコンピュータですから, 大事に使ってください.

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3 コンピュータは何をする機械?

データを処理する機械

コンピュータを使うと,文書,絵,写真,音などのさまざまな 情報データを作成したり,加工・編集したりすることが簡単に行えます. また,そのようなデータを大量にコンピュータ内に保存しておく こともできます. 車が人間の「移動」という能力を飛躍的に高めてくれるように, コンピュータは人間の「データ処理」という 能力を飛躍的に高めてくれます.

さらに,プログラムと呼ばれるものを作成すれば, コンピュータにより高度な処理をさせることが可能です. プログラムの作り方については, 情報知能工学演習 II〜VIで勉強していきます.

データを通信する機械

コンピュータ1台だけでもさまざまなことが行えますが, 複数台のコンピュータをつないでコンピュータのネットワークを 構成すると,さらに大きな可能性が広がります.

実は,皆さんの目の前にあるコンピュータは世界中のコンピュータと つながっています. この世界中のコンピュータをつないでいるネットワークは, インターネットと呼ばれています. 皆さんは,このコンピュータを入り口として, インターネットにつながっている世界中のコンピュータ (1997年1月の時点で世界で約1600万台,日本で約730万台) と通信できるわけです(参考文献[6]). つまりコンピュータは人間の「通信」という 能力も飛躍的に高めてくれるのです.

現在,世界で1億人の人がインターネットに参加していると 予想されています(参考文献[7]).

4 インターネットで何ができるのか?

では,インターネットでどのような通信ができるのでしょう?

4.1 インターネットは一つの社会

インターネットを使っていて感じることは, インターネットは「人と人を結ぶ」ネットワークである, ということです. 電子メールはもちろん人から人への通信ですし, ネットーニュースも投稿した記事の責任は各個人にあります. WWWでも,多くの人が自分自身についての情報を書き込んだ ホームページを公開しています.

つまり,インターネットではユーザはすべて対等の立場であり, 非常に民主的で自由な社会が実現されていると言えます.

逆に言うと,各ユーザは自分の責任において, ネットワーク社会における秩序やエチケット (ネチケットと言います)を守らなければいけないのです (参考文献[5]). ネットワークで行った行為については,最終的には各ユーザに責任があります. といっても,何も難しいことをせよと言っているわけではありません. 通常の社会と同じように, 法律に違反することをしない他人の迷惑になることをしない,などを守って欲しいのです.

また,インターネットにつながっている各組織で, 別個に守るべきポリシーを定めていることがあります. そのような場合は,もちろんそのポリシーも守らなければなりません. これには,自分の所属している組織だけでなく接続先の組織も含まれます.

大事なのは,「できる」ことと「して良い」ことは違うという点です. これは車の運転と同じです. 車は,道路であればどこでも通ることができますが, 赤信号の交差点を横切ることは法律上禁止されていますし, 乱暴な運転はマナーに反しています.

インターネットが利用できるというのは,一種の特権です. インターネットの機能を乱用した場合は,その特権を奪われ インターネットから追放されることもありえます. 皆さんも,インターネットは全世界につながっているのだ, 自分の行為は全世界の人に影響を与える可能性があるのだ, ということを常に念頭に置いておいてください.

4.2 インターネットに参加するために

インターネットに参加するためには, インターネットにつながっているコンピュータに対して, ユーザとして利用登録をしてもらう必要があります. 皆さんについては, 1年生後期の情報知能工学演習Iの時に登録が行われますので, しばらくの間,待ってください.

各ユーザには,それぞれ ユーザ名(アカウント,ログイン名と言うこともあります)が 割り当てられます. たとえば,情報知能工学科での私のユーザ名はtamuraです. ユーザ名は,利用者を識別するための名前で,銀行でいうと 口座番号に当たります.

ユーザは,毎回コンピュータを利用する時に, ユーザ名とパスワード(暗証番号にあたります)を キーボードからタイプする 必要があります(この手続きをログインと言います). これは,誰が今からそのコンピュータを使うのかを認証するために 行います. したがって,パスワードは他人に絶対に教えてはいけませんし, たとえパスワードを知っていたとしても他人のユーザ名で ログインしてはいけません.

大学や会社にアカウントを持っていない人も, インターネットに接続するサービスを行っている プロバイダ(参考文献[9]に一覧があります) と契約すれば,インターネットを利用できます.

4.3 インターネットでの名前

各ユーザにユーザ名という名前がついているように, インターネットにつながっているコンピュータや組織にも名前 がついています (コンピュータの場合はマシン名とかホスト名, 組織の場合はドメイン名と言います).

電子メールの宛先(メール・アドレスと言います)を指定する場合も, ユーザ名,ホスト名,組織名などを記述します. たとえば,私のメール・アドレスは tamura@seg.kobe-u.ac.jp です. ここで, segは情報知能工学科(旧システム工学科棟), kobe-uは神戸大学, acは学校関係, jpは日本を表します.

WWWで見たい情報を指定する場合も,同じように記述します. たとえば,私のホームページの指定は, http://bach.seg.kobe-u.ac.jp/tamura-jp.html です.

さらに詳しい内容を知りたい人は,書店に行くと, 多くの書籍や雑誌がありますから,ぜひ読んでみてください.

References

1
村井純: 「インターネット」,岩波新書
2
古瀬幸宏,廣瀬克哉: 「インターネットが変える世界」,岩波新書
3
アスキーテクライト編: 「とってもかんたん! インターネット」,アスキー出版局
4
What's the Internet?, http://www.iijnet.or.jp/sankyo/inet/
5
ネチケット・ホームページ, http://www.edu.ipa.go.jp/mirrors/netiquette/
6
Internet Domain Survey, http://www.nw.com/zone/WWW/top.html
7
Internet Statistics -- Estimated, http://www.internetsol.com/netbin/internetstats
8
The Netcraft Web Server Survey http://www.netcraft.com/survey/
9
Networks in Japan, http://www.etl.go.jp/People/yamana/inet_info.html

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The translation was initiated by Naoyuki Tamura on 1997年 4月18日(金曜日) 22時38分52秒 JST


Naoyuki Tamura
1997年 4月18日(金曜日) 22時38分52秒 JST